「〜なはずあるわけないでしょ!」
知り合いのピアノの先生が「練習しなくても上手に弾けるようになる」というタイトルで生徒さん募集の記事を書いたら、多くの問い合わせが来たそうです。
そんなお教室が本当にあると良いですが、天才か稀人でない限り弾かないと弾けるようになるのは無理!です。
この先生は、ジャズピアノの先生だったのですが、これは目指すところだったらしく、結局後から「〜なはずあるわけないでしょ!」と説明したそうですが、体験に来た生徒さんはさぞかしがっかりしたことでしょう。
答えは脳の仕組みにある
今日のレッスンに来た4年生のSちゃんに、「どうして練習が必要なの?」と聞かれました。
答えは脳にあるので、簡単にわかりやすく説明しました。
日常の中で必要に迫られて覚えなくてはいけないことがたくさんあります。
印象的なものと強く結びつけて覚える記憶術もありますが、いずれにしても必要なことを頭に詰め込んで覚えようとしてきました。
ところが、脳に記憶を刻むには、たくさんの事柄を詰め込むより、入ってきた事柄を声に出したり繰り返し演奏したりすると定着するそう。このように沢山アウトプットをすると、短期記憶をしておく脳の海馬は、「こんなに使うなら覚えよう」と記憶していたということです。
確かに子供の頃、詩を覚えようとした時、黙読より音読の方が覚えられたという経験があります。
語学も教科書を眺めているより、沢山話す経験を積まなければ話せるようにはならないでしょう。
このようにして、海馬で熟成された記憶は、長期記憶の大脳皮質へ転送されるそうです。
http://fufufu.rohto.co.jp/feature/12/2/ ←こちらの記事からお借りしました。
特に両手を使って全部の指をバラバラに、しかもそれらを連携させながら弾くピアノは、繊細な動作を体に覚えさせて奏でるわけですから、体(手や指や体の使い方など)の動きや教わった事柄や曲を記憶させるために、大脳皮質に届いて定着するまで練習をする必要があるわけです。